人間と同じように、犬もストレスを感じることがあります。
今回は、言葉を話せない犬がストレスを感じた時に見せるサインや症状を説明します。
本記事の内容
- 段階別ストレスサイン
- ストレス症状
- ストレス対策・解消法
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トイプードルのストレス:症状とサイン
言葉を話せない犬は吠えるだけでなく、さまざまなボディランゲージを使って意思表示をしています。
まずは、ストレスを感じている時のサインを段階別に紹介します。
① 軽度のストレスサイン4つ
犬が軽いストレスを感じた時に見せるサインです。
犬自身でストレスを解消しようとしている段階で、ストレスの原因から距離を置けば解消されることがあります。
あくび
人間は眠いときにあくびをします。
犬もそうですが、他にも興奮を抑えたり、平静を保ったりするときにもあくびをします。
頻繁にあくびをするようなら、ストレスを感じている可能性があるということです。
顔をそらす
恐怖からストレスを感じた時、犬は恐怖を感じた物や人を見ないよう顔をそらします。
例えば、トイプードルは自分より大きな犬を見て顔をそらしたり、飼い主に怒られて顔をそらすことがあります。
これは「怖い」と感じ、ストレスから顔をそらしています。
呼吸が荒くなる
運動後でもないのに「ハァハァ」と呼吸が荒くなっていることがあります。
これは、不安を感じていたり、緊張していたりする可能性が高いです。
ストレスの対象がわかるようなら、愛犬がくつろげたり落ち着いたりできる場所に移動させてください。
体を震わせる
寒くないのに体を震わせていたら、不安や恐怖からストレスを感じているかもしれません。
これは、トイプードルなどの小型犬によく見られるストレスサインです。
飼い主は「大丈夫だよ」と声をかけるなどして、安心させてあげることが大切です。
② 中度のストレスサイン3つ
ここで、ストレスレベルが少し高くなったときのサインを紹介します。
この段階だと犬自身ではどうにもできません。
放置すれば、問題行動や健康に悪影響を及ぼす可能性もあるため、飼い主が対処する必要があります。
体の一か所を舐めつづける
身体の色々な場所を舐めるグルーミングとは違い、傷があるわけでもないのに、前足など体の一部を舐め続けることがあれば、ストレスを感じていることが多いです。
舐め続けると毛先の色が変わったり、皮膚炎になってしまう可能性もあります。
飼い主はストレスの原因を見つけ、解消してあげることが大切です。
耳を後ろに倒す、下半身を後ろに引きぎみにする
ストレスを感じていると耳を後ろに倒したり、下半身を引いて体勢を低くしたりする犬もいます。
もし、ストレスの対象が他の犬や人であれば、距離をとって、落ち着ける場所に移動してあげましょう。
歯をむき出してうなる
恐怖を感じたり、嫌なことをされると「うなる」ことがあります。
さらに、歯をむき出してうなっている場合は「噛む」「吠える」寸前の危ない状態です。
③ 重度のストレスサイン
ここからは、心身に支障をきたす重度のストレスサインです。
この状態が続くと、健康に悪影響を及ぼす可能性が高いです。
噛む・吠える
恐怖を感じたり、嫌なことを強要されたりすると強いストレスを感じ、噛んだり吠えたりします。
また、警戒心が高まった犬が自己防衛のためにする行動でもあります。
「噛む」「吠える」前に、飼い主が愛犬のストレスを察知して、対処することが必要です。
逃げる・隠れる
恐怖や不快感から強いストレスを感じているときに見せるストレスサインです。
この場合も、「逃げる」「隠れる」前に、飼い主が愛犬のストレスに気付き対処することが大切です。
ストレスが症状5つ
上記のようなストレスサインを「いつものこと」と見過ごしていないでしょうか。
また、気付いていても「元気だし大丈夫だろう」と安易に考えていないでしょうか。
確かに、犬自身でストレスを解消できる子もいます。
ストレスサインだけで済む場合もあります。
しかし、放置すると慢性的なストレス状態になり健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
脱毛
人間はストレスで髪が抜けたり、円形脱毛症になったりすることがあります。
これは犬も同様で、慢性的にストレスを感じ続けると脱毛してしまいます。
換毛期でもないのに、愛犬の抜け毛が増えたり、一か所だけ脱毛していたりすればストレス症状です。
このとき、「肢の間」「しっぽ」などが脱毛しやすいです。
ご飯を食べる量が減る
犬も人間と同様、ストレスで食欲は低下します。
この場合は大病が潜んでいる可能性もあるため、改善の兆しが見えないようなら病院を受診してください。
嘔吐
ストレスが限界に達したとき、食欲が低下するだけでなく何度も嘔吐することがあります。
嘔吐を繰り返すと食道を傷つけてしまうため、この場合もすぐに病院で診てもらいましょう。
下痢
食当たりでもなく下痢が続く場合は、ストレスによる可能性があります。
こちらも病気の可能性があるため、ストレスの原因を探り対処しつつ病院での受診が必要になります。
無駄吠えが増える・攻撃的になる
犬はストレスが限界に達すると、「嫌だ!助けてほしい!」という意思表示をしようとします。
その結果、吠える回数が増えたり、攻撃的になったりすることがあります。
このとき、無理に止めさせるとストレスが増す原因になってしまうため、飼い主の理解が必要になります。
ストレスによる行動だと理解しつつ、原因を究明し解消してあげることが大切です。
トイプードルのストレス症状とサイン:解消法4つ
ストレスが原因で病気になってしまったら大変です。
ここで、飼い主が愛犬にできるストレス解消法を4つ解説します。
1.散歩と運動
犬は基本的に運動が大好きです。
まずは十分な散歩と運動でストレスを発散させてあげましょう。
散歩や運動は飼い主とのコミュニケーションにもなり、お互いの絆を深めることもできます。
なお、雨の日や散歩ができない日は、トイプードルが大好きなボール遊びがおすすめです。
家具を端に寄せるなどして、愛犬が室内でも走り回れるよう工夫してください。
2.ガムを与える
「噛む」ことでストレス発散ができます。
すぐ食べ終わってしまうようなおやつではなく、適量のガムを与え噛む欲求を満たしてあげましょう。
3.お留守番に慣れさせる
1人で過ごすお留守番に慣れさせることも大切です。
犬は群れで生活をする生き物であり、ひとりになると不安になってしまうからです。
そのため、リーダーである飼い主がいなくてもストレスが溜まらないよう慣れさせる必要があります。
好きなおもちゃを与えたり、安心できるスペースを作ったりするとリラックスできます。
このとき、ハウスの訓練をしておくと効果的です。
生活環境の見直し
今の生活環境が愛犬にとって心地良いものか一度見直してみましょう。
- 温度はエアコンをつけた状態で 25 ~ 28 ℃くらいを保つ
- 愛犬が嫌がる音楽やテレビは控える
- 愛犬が暮らす部屋にはルームフレグランスを置かない
- ゲージを日陰に置くなど、明るさから回避できる居場所をつくる
- トイレやゲージを常に清潔にする
季節や愛犬の年齢などに応じ、様子を見ながら改善すると良いです。
トイプードルのストレス:症状とサイン まとめ
記事のポイントをまとめます。
ストレスサイン
- 軽度のストレスサイン
あくび
顔をそらす
呼吸が荒くなる
体を震わせる - 中度のストレスサイン
体の一か所を舐めつづける
歯をむき出してうなる
耳を後ろに倒す、下半身を後ろに引きぎみにする - 重度のストレスサイン
噛む・吠える
逃げる・隠れる
ストレス症状
- 脱毛
- ご飯を食べる量が減無駄吠えする
- 嘔吐
- 下痢
-
無駄吠えが増える・攻撃的になる
ストレス対策・解消法
- 散歩と運動を十分にさせる
- 雨の日は室内運動で遊ぶ
- ガムを噛んでストレス解消させる
- 好きなおもちゃや落ち着けるスペースでお留守番に慣れさせる
- 温度はエアコンをつけた状態で 25 ~ 28 ℃くらいを保つ
- 愛犬が嫌がる音楽やテレビは控える
- 愛犬が暮らす部屋にはルームフレグランスを置かない
- ゲージを日陰に置くなど、明るさから回避できる居場所をつくる
- トイレやゲージを常に清潔にする
愛犬にはストレスを抱え込まず、楽しく過ごしてほしいものです。
そうであれば、飼い主がストレスサインを見逃さないことが重要になります。
もしストレスサインが見られたら、すぐに原因を究明しつつ適切に対処するよう心掛けてください。