犬は人間の何倍もの速さで年をとると言われています。
ということは、あなたより先に亡くなってしまうということですよね。
家族同然のトイプードルが、病気で亡くなるなんて考えたくありませんが、人間同様、犬も老犬になると病気になりやすくなり、ケガもしやすくなってしまいます。
そこで、トイプードルが老犬になると「発症しやすい病気」や「てんかん」について解説していきます。
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目次
トイプードルが老犬になると発症しやすい病気
まずは、トイプードルが老犬になると発症しやすい病気を解説します。
主に発症しやすい病気は以下の通りです。
- 歯周病
- クッシング症候群
- 白内障
- 皮膚炎
- 僧帽弁閉鎖不全症
- 糖尿病
- 膀胱炎
上記の通りです。
これらの病気を詳しく説明していきます。
歯周病
歯周病は犬種問わず、かかりやすい病気です。
特にトイプードルの老犬は歯周病が悪化しやすい犬種とも言われています。
他の犬種に比べ口が小さく、歯が密集していることが原因です。
そうなると、歯垢が溜まりやすくなり、症状が出た時には歯磨きでは対処できないほど悪化しているケースもあります。
歯周病予防は、小さい時から歯磨きに慣れさせ、定期的にきちんと行うことが大切です。
クッシング症候群
クッシング症候群は、副腎皮質機能亢進症とも呼ばれるホルモンの病気です。
副腎皮質という場所からホルモンが過剰分泌されてしまうことで発症します。6歳ほどで発症することが多く、オスよりもメスの方がかかりやすい病気です。
また、ステロイドを長期使用することで、副作用として起こることもあります。
クッシング症候群の症状
- 多飲多尿(たくさん水を飲み、たくさん尿を出す)
- 脱毛
- 異常な食欲
また、病気が進行すると糖尿病や膵炎などの病気を引き起こすことがあるので注意が必要です。
もし、こうした症状が見られたなら、早めに病院で受診することをお勧めします。
白内障
老犬になると、目が白く濁る白内障にかかりやすくなります。
白内障は目の中にある水晶体というレンズの一部、もしくは全てが白く濁ってしまう病気のことです。主に、10歳以上のトイプードルに多く見られます。
白内障になると視界がぼやけて見え辛くなり、放置しておくと失明の危険性もあるので早期の治療が大切です。
犬の年齢や体力によっては、外科手術で治療することもあります。ただ、基本的には進行を遅らせる内服薬や点眼薬での治療がメインとなります。
皮膚炎
老犬になると抵抗力の低下から皮膚炎になる可能性が高くなります。
皮膚炎はトイプードルに限らず、老犬になればどんな犬種であっても発症しやすくなります。
ただし、皮膚炎と言っても原因や症状は様々です。
- 食事によるアレルギー
- ノミやダニが原因
- 遺伝的なアトピー体質
原因は犬によって異なるため、皮膚に何らかの異常が見られたら早めに受診してください。
皮膚炎を予防するためには次のことを欠かさず行ってほしいです。
- 飼育環境を清潔に保つ
- 毎日のボディケア・ボディチェック
ボディケアについてはブラッシングだけでも十分です。
ちなみに、トイプードルのトリミングは月1回が理想とされています。シャンプーのし過ぎは逆に皮膚を傷めてしまうので、月1~2回のペースで行うようにしましょう。
僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症はトイプードルだけでなく、高齢の小型犬に最も多い心臓病です。
心臓の中にある僧帽弁がうまく閉まらなくなり、左心室から左心室へと血液が逆流してしまう病気です。
放っておくと体に十分な血液が巡らなくなり、チアノーゼを引き起こす危険性もあります。
主な症状として、運動中に座って休むようになったり、頻繁に咳が出たりします。
予防法は、定期的に健康診断を受けることと肥満を回避することです。一度発症すると完治は難しいため、一般的な治療としては進行を遅らせる薬を使用することになります。
あとは、激しい運動を控えたり、食事を見直したりして心臓に負担をかけないよう心掛けてあげてください。
糖尿病
糖尿病はインスリンというホルモンが不足し働きが弱くなることで、血中糖分が慢性的に過多になってしまう病気です。
そして、犬の糖尿病は2種類あります。
- Ⅰ型糖尿病:依存性糖尿病
- Ⅱ型糖尿病:インスリン非依存性糖尿病
犬がかかる糖尿病の多くはⅠ型で、Ⅱ型にかかることは滅多にありません。
Ⅰ型糖尿病はインスリンがすい臓から分泌されなくなり不足した結果、糖分が細胞に吸収されにくくなり血液中の糖分が過剰となった状態です。
トイプードルは加齢によって発症することが多く、糖尿病にかかってしまった場合は以下のような症状が見られます。
- 水を飲む量が増える
- 尿の量が増え、回数が多くなる
- 食欲が異常に増す
- 食べても体重が増えず痩せる
合併症には白内障や再発性皮膚炎・膀胱炎・膵炎が多く、メスの場合は子宮蓄膿症になるケースもあります。
悪化すると最悪の場合、昏睡状態になり命に関わる重篤な症状を引き起こす怖い病気です。
糖尿病を予防するためには、バランスの取れた適度な食事と運動が大切です。日頃から肥満にならないよう適切な食事量と運動管理に気をつけ、多飲多尿などの症状が見られる場合はすぐに受診しましょう。
膀胱炎
膀胱炎とは、膀胱に炎症が起きる病気で、細菌感染や膀胱結石、膀胱腫瘍など原因は様々です。
また、犬が膀胱炎にかかると次の症状が出てきます。
- 血尿
- 頻尿
- 排尿痛
- 排尿困難
また、トイプードルは老犬になると結石ができやすく、特にメスに多いです。
糖尿病は投薬治療が一般的ですが、再発したり慢性化したりするので、処方された薬は最後まできちんと飲ませるようにしてください。
もし、愛犬に上記症状が見られる場合は、膀胱炎の可能性があるのですぐに受診しましょう。
トイプードルの老犬は「てんかん」になりやすいのか?
トイプードルは若くてもてんかん発作を発症しやすい犬種です。
ただ、老犬になるとさらに発症する確率は高くなります。
老犬がてんかんを起こす原因や理由
老犬のてんかんは、脳の神経細胞の働きに一時的な不具合が生じることで起こります。
てんかんは、24時間以内に2回以上の非誘発発作が起きるものであり、慢性的に繰り返す状態になります。
老犬のてんかんの症状や状態
老犬のてんかん症状は3段階に分かれており、次の予兆があります。
- 落ち着かずにうろうろ徘徊する
- よだれが出る
- 吠える
- 歩き方がおかしい
そして、次第にてんかん発作が起きるようになります。
通常は数秒間、または2分~3分程度で治まりますが、その間に多量のよだれや尿失禁・脱糞などが見られることがあります。
発作については全身性の場合もあれば、体の一部というケースもあります。
発作が終わると、落ち着かない・嗜眠・見当識障害・一時的な失明といった、いずれかの症状が出ます。
老犬のてんかん対処方法
老犬がてんかん発作を起こしたら、次のような対応をしましょう。
- 発作中の愛犬を抑え込まない
- ケガしそうな物は片付け、ソファなどから落ちないようにする
- 愛犬の口にタオルを噛ませない
- 噛まれてケガをしないように、愛犬の顔や口の周りは触らない
- 発作がどれくらい続くか、時間を測る
- 発作の様子を動画に取る
- 発作が終わったら、ゆっくり休ませ様子をよく観察する
上記の通りです。
てんかんは予兆があるものの、突然激しい発作を目の当たりにすればパニックに陥ってしまう可能性があります。
しかし、そこは耐えて焦らず愛犬の様子を観察することが大切です。
てんかんが終わったら、できる限り素早くかかりつけの先生に連絡し、指示を仰ぐようにしてください。
トイプードルの老犬が発症しやすい病気:まとめ
以上のように、トイプードルの老犬が発症しやすい病気やてんかんについて解説しました。
どんな犬種であっても、年を取り老犬になれば病気を発症しやすくなります。
少しでも「いつもと様子が違うな」と感じたら、すぐに受診することをおすすめします。
また、トイプードルの老犬はてんかんを起こしやすいため、このとき焦らず冷静な対処が必要になります。
てんかんが収まったら必ず獣医に診断してもらうようにしてください。
愛犬の命を守れるのは飼い主だけです。