トイプードルは、さまざまなアレルギーになりやすい犬種です。
何らかの原因で、外耳炎・蕁麻疹・皮膚炎などの症状を引き起こすことはよくあります。
そこで、トイプードルの外耳炎・蕁麻疹・皮膚炎にスポットを当て、症状や原因について解説していきます。
併せて検査方法も説明しているため、参考にしてください。
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目次
トイプードルのアレルギー症状:外耳炎・蕁麻疹・皮膚炎
トイプードルは、食物アレルギーやアレルギー性皮膚炎が原因で外耳炎になることがあります。
ここで、外耳炎について解説します。
外耳炎の症状と原因
外耳炎とは、耳の穴から鼓膜の手前までに起こる炎症のことです。
早期に治療しないと症状は悪化し、中耳炎になってしまいます。
外耳炎の症状
- 耳を掻く
- 頭や耳を振る
- 耳の中が赤く腫れている
- 耳垢の量が増える
- 耳の中から独特なニオイがする
- 頭をいつも同じ向きに傾ける
- 耳を触られるのを嫌がる
- 触ると痛がる
上記のような症状が見られた場合は、すぐに受診してください。
基本的な治療は定期的な耳道洗浄になります。
自宅では不十分なことも多いため、病院での洗浄をおすすめします。
状態によっては点耳薬や飲み薬、注射薬などで治療することもあります。
なお、外耳炎が慢性化すると、耳穴が閉じて重症化してしまうケースがあるので注意してください。
こうなれば、手術するしかありません。
少しでも症状が見られる場合は、早期治療が大切です。
アレルギー性皮膚炎の症状と原因
トイプードルは皮膚炎になりやすく、特にアレルギー性皮膚炎が多いです。
- ノミが原因の「ノミアレルギー性皮膚炎」
- 食物が原因になる「食物アレルギー性皮膚炎」
- 環境中のアレルゲンに反応する「アトピー性皮膚炎」
そこで、アレルギー性皮膚炎について解説します。
アレルギー性皮膚炎の症状
- 顔・耳・足先・内股・ワキ・肛門付近などの皮膚が炎症を起こし赤くなる
- 激しい痒みで一日中舐めたり、咬んだり、引っ掻いたりを繰り返す
- 50%以上の確率で外耳炎になる
上記のように、原因はさまざまです。
最も多いのはダニで、次に食物アレルギーの順番となります。
実は、一度アレルギー性皮膚炎になると治りません。
生活環境や食生活を見直しつつ、アレルギーと上手に付き合っていくことになります。
蕁麻疹の症状と原因
蕁麻疹とは、皮膚に見られる境目がはっきりした発赤(はっせき)の扁平隆起(へんぺいりゅうき)の状態を言います。
急性であることが多く、原因に干渉してから1~2時間で現れ、発疹は2~3日で改善します。
蕁麻疹の原因は、吸血昆虫の昆虫毒や薬品、食物に対するアレルギーが多いです。
アレルギーの検査方法
もし、アレルギー性皮膚炎になってしまったとき、原因を突き止めることが大切です。
何がアレルゲンになっているのか調べるということです。
アレルギーの検査方法は4種類あります。
- プリックテスト
- RASTテスト
- リンパ球反応検査
- 被毛による検査
プリックテスト
プリックテストとは、あえて皮膚内にアレルギー物質を入れ、15~20分後に反応が起きるかどうかを見る検査です。
皮膚が赤くなったり、腫れたり、痒くなったりした場合、注入した物質がアレルゲンであるとわかります。
ただ、皮膚内にアレルゲンを入れると負担がかかり過ぎる、ということから最近はあまり行われていません。
RASTテスト
RASTテストは、犬のアレルギー検査で最もポピュラーな方法です。
少量の血液をとり、血液中のlgE抗体の濃度を測定し、アレルゲンとされる物質について抗体反応を調べる検査です。
lgE抗体とは?
IgEは免疫グロブリンの一種です。
身体のなかに入ってきたアレルギーの原因物質(アレルゲン)に対して働きかけ、身体を守る機能を持つ抗体のことです。
抗体の数値が高いほどアレルギー症状を起こす可能性が高いと判断できます。
ただ、必ずしも数値の高さとアレルギーの強さが比例するわけではありません。
リンパ球反応検査
リンパ球反応検査とは、lgE抗体検査ではわからない、リンパ球を介したアレルギー反応を調べる血液検査です。
血液から分離したリンパ球と、アレルゲンになりそうな各物質を混ぜて培養し、活性化リンパ球の数をフローサイトメトリーによって特定します。
フローサイトメトリーとは?
フローサイトメトリーとは細胞の性質を解析する技術のことを言います。
特に食物アレルギーが疑われるときに用いられる検査方法です。
被毛による検査
犬の被毛を20本ほど採取し、郵送します。
これだけで、食物アレルギー75項目と、環境アレルギー72項目をチェックしてもらえます。
なお、この検査は次の人に向いています。
- 忙しくて病院に連れて行けない
- 老犬で病院に行くことが負担になる
- アレルギー症状がないか確認したい
「ワンニャン健康クラブ」で行えますが、検査キットは18,000円と高めです。
トイプードルのアレルギー症状:外耳炎・蕁麻疹・皮膚炎 まとめ
記事のポイントをまとめます。
外耳炎は、早期治療しないと中耳炎になってしまう可能性あり
- 基本的な治療は定期的な耳道洗浄
- 病院での洗浄がおすすめ
トイプードルはアレルギー性皮膚炎になりやすい
- ノミが原因の「ノミアレルギー性皮膚炎」
- 食物が原因になる「食物アレルギー性皮膚炎」
- 環境中のアレルゲンに反応する「アトピー性皮膚炎」
※一度アレルギー性皮膚炎になると治らないため、生活環境や食生活を見直しつつ上手に付き合っていくことになる
蕁麻疹の原因は、吸血昆虫の昆虫毒や薬品、食物に対するアレルギーが多い
アレルギーの検査方法は4種類
※もう一度検査方法を確認する