トイプードルは賢い小型犬であり、飼い主の指示に従う忠実さを持ち合わせている、しつけのしやすい犬種です。
小型犬の中でも愛らしい見た目やコントロールのしやすさからも人気があります。
しかし、賢いトイプードルだからこそきちんとしつけを行い、飼い主がリーダーとして振る舞う必要があります。
そうしなければ、正しい信頼関係が構築できず攻撃的になり、本気噛みをするようになるからです。
また、小型犬特有の強い警戒心もあるため、幼少期からきちんとしつけを行わなければなりません。
他の犬や人に噛みつきやすくなったり、噛み癖がついたりすれば大変です。
そこで、トイプードルの噛み付きを予防するしつけ方法と、本気噛みの対処法について解説します。
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目次
トイプードルのしつけ:噛む・本気噛みについて
家族の一員である可愛らしいトイプードルに本気噛みされては、ショックも大きいです。
本気噛みとはその名の通り、敵意や怒りの感情を相手に伝えるために本気で噛み付いてくることを指します。
トイプードルは本来陽気で明るい性格の子が多く、飼い主に対して友好的に接します。
飼い主やその家族に対しても仲間意識が強く、子供のいる家庭でも飼育しやすい犬種です。
しかし、愛犬のトイプードルが家族に噛み付いてしまえばコミュニケーションを取り辛くなり、そのまま信頼関係が崩壊してしまうこともあります。
他人やほかの犬に対し本気噛みするようになれば、トラブルや喧嘩の原因にもなり危険です。
噛み付きを予防するためには、お迎えしたその日からしつけを行うことが大切です。
同時にさまざまな経験をさせ、人や犬などに慣らす「社会科」を実施すれば噛むことを予防できるようになります。
トイプードルは小型犬特有の警戒心の強さや臆病な面があるため、自分を守るために突発的に噛んでしまうことがあります。
そのため、社会科を行いトイプードルの世界を広げてあげれば柔軟に対応できるようになります。
結果的に、色々なものを噛む癖や本気噛み予防に繋がるということです。
噛む・本気噛みする理由
トイプードルが攻撃的になり本気噛みをしないためには、飼い主が幼少期からしつけと社会科を行うことが必要と紹介しましたが、噛みつくことには必ず理由があります。
素早くトイプードルの噛み付きをしつけにより対策するためにも、まずはなぜ噛み付いてしまうのか原因を特定することが必要不可欠です。
トイプードルが噛みつく主な理由について紹介します。
トイプードルの噛み付き癖にお困りの方や本気噛みにより怪我をした経験がある方の参考になれば幸いです。
①恐怖心・自己防衛
冒頭で紹介したようにトイプードルは明るい性格の子が多いですが、小型犬特有の警戒心の強さや臆病な面があります。
知らない人や犬が近づいてきたとき、恐怖心が強くなり自分の身を守ろうと噛み付いてくることがあります。
自己防衛の手段としての噛みつきはよくあることで、相手に警戒している意思を伝えるために最初は「うーうー」と低い唸り声をあげます。
そこで、相手が手を伸ばしてきたり構わず触れてきたりすると恐怖心がピークに達し噛み付いてしまうのです。
トイプードルは身体が小さいので自分より身体の大きな犬や人に恐怖心を感じやすいです。
臆病な性格は個体差があるものの、神経質な性格のトイプードルは恐怖心から本気噛みすることが多々あります。
愛犬の様子をよく観察し、怖がるものはできるだけ飼育スペースから取り除く必要があります。
また、トイプードルはカット犬種なので定期的にトリミングサロンを利用することが望ましいです。
トリミングサロンなどで他人に触れられる機会を作り、社会科を行い噛みつかないよう慣らしていくのが理想的です。
②信頼関係の崩壊
犬は上下関係を意識する生き物であり、信頼できるリーダーに従うことで精神的は安定し、秩序を守ります。
犬の祖先である狼たちは群れのリーダーを定め、リーダーは群れを安定した生活に導く役割を果たします。
リーダーが不在だと群れの統率は乱れ、グループ全体に大きなストレスが生まれます。
これと同様に、家庭犬にも飼い主がリーダーとして生活指針を示してあげることが大切です。
飼い主がリーダーとして認知されなければ、しつけは上手くいかず、本気噛みや噛む癖が直ることはありません。
トイプードルが飼い主に噛み付くということは、飼い主をリーダーとして認めておらず、むしろ自分の立場の方が上だと思っています。
この状態のままでは、しつけで噛み癖を直すことはできません。
適切なスキンシップを行い、明確な信頼関係と主従関係を再構築していく必要があります。
③病気や怪我
トイプードルが急に怒ったり特定の部分に触れたりすると噛みつく場合、まず病気や怪我を疑ってください。
このケースは、早めに動物病院を受診して適切な治療を受けさせる必要があります。
犬は喋ることができないため、痛みや苦しみを噛み付きで訴えてくることがあります。
こうした異常に素早く気づくためには、日々のコミュニケーションやトイプードルの様子をきちんと観察することが大切です。
また突然、飼い主や人、物に噛み付くようになった場合は、脳炎やてんかんといった病気の可能性もあるため注意してください。
噛む行為や本気噛みを止めさせる方法
それでは噛む行為や本気噛みに対し、具体的にどのようにしつければ良いかを解説します。
前述したように、しつけの前段階で愛犬との信頼関係をきちんと構築しなければなりません。
すでに、飼い主に本気噛みしてくる場合は、信頼関係を再構築する必要があります。
信頼関係を正しく構築するためには、飼い主が一貫した態度でメリハリを持って接することが大切です。
例えば何かをねだられたとき、愛犬のタイミングでおやつを与えたり散歩に行ったりしてはいけません。
愛犬主体で行動すると立場が逆転してしまい、飼い主が下に見られてしまうからです。
そのため、散歩やご飯のタイミングなどはすべて飼い主基準で決定し、愛犬はそれに合わせるといったルーティンで生活します。
ポイントは飼い主だけでなく、家族全員同じ態度で接することです。
誰かが可哀想だからと甘やかしてしまえば、決まり事があやふやになり、トイプードルも混乱してしまいます。
この過程で、もしトイプードルが噛み付いたり物を噛んだりするなら「イケナイ!」と短くはっきり声をかけてやめさせます。
噛んだ瞬間に「イケナイ!」と禁止ワードを言うことが大切です。
ただ、愛犬が興奮状態にある場合は素直に聞き入れてもらえないこともあります。
こうしたときは、別の場所に連れて行くなどしてクールダウンさせてください。
トイプードルが少しでも噛むのをやめたら、褒めておやつやオモチャを与えます。
繰り返し根気強く行うことが大切です。
もし、常に飼い主を威嚇して本気噛みを繰り返す酷い状況であれば、怪我の元になるので無理は禁物です。
どうしても手に負えないレベルならドッグトレーナーなどプロに頼る選択も悪くありません。
トイプードルのしつけ:噛む・本気噛みの直し方 まとめ
以上のように、トイプードルが噛み付くときの原因や対処法について解説しました。
トイプードルは賢い性格だからこそ、信頼関係をきちんと構築しなければなりません。
そうしなければ、噛み癖や本気噛みに悩まされる原因になってしまいます。
理想は、お迎えしたその日から飼い主ペースで生活し、社会科を行いながら主従関係を適切に築くことです。
子犬の時期が最も簡単であることは間違いありません。
ただ、成犬であっても諦める必要はなく、これまで述べたことを実践して信頼関係を再構築していきましょう。