ハウスのしつけに対する疑問
- トイプーのハウスのしつけ方を知りたい
- ハウスに使うクレートの選び方は?
- ハウスをしつけるメリットはある?
今回は、こうした疑問を解決します。
当サイトコンテンツは、飼育員・動物看護師・小動物看護士・愛玩動物飼養管理士,救命士・ペット食育士・トリマー・ホームドッグトレーナーなど資格を持つ専門家が監修しています。
目次
トイプードル:ハウスのしつけ方
ハウスとは
- ケージ、クレート、サークルなどを安心できる場所だと認識させる
- 決まった合図で自主的にその場所に入ってもらう
※「お家へ入りなさい・戻りなさい」といった趣旨で使います
本来、犬は広い場所で無防備になることを嫌がります。
外敵に襲われないよう警戒する本能があるからです。
そのため、「枠に囲まれた場所」を与えることで、愛犬の安心できる空間になります。
また、犬は縄張り意識があるため、専用エリアを作ってあげないと家全体が縄張りになってしまいます。
そうなると、犬は常に警戒せざるを得なくなり、大きなストレスにも繋がります。
ハウス(枠に囲まれた専用エリア)を用意してあげれば、こうした問題も起こりません。
ハウスとは【しつけと専用エリアの両方を表す言葉】
ハウスの意味はしつけの名称だけでなく、ケージや
そのため、ハウスをさせる = 狭い空間に愛犬を閉じ込める、という考え方をする人もいます。
「愛犬をケージなどで囲ってしまうのは可愛そう」と思ってしまい、ハウスのしつけを躊躇する人がいるわけです。
ただ、ハウスのしつけは決して悪いことではありません。
前述の通り、犬は無防備な状態でいることを本能的に嫌がり、狭い所を好む傾向にあることが分かっているからです。
むしろ、専用エリアがあることでストレスは軽減されるため、可愛そうなどと悩む必要はありません。
ハウスを覚えるメリットとは
ハウスをしつけることには大きなメリットがあります。
愛犬の健康と安全を守れるようになるからです。
例えば愛犬の調子が悪くなったとき、クレートに入れて病院へ連れて行くとします。
このとき、ハウスができれば素早くクレートに入ってくれるため、スムーズな診察を受けることができます。
一方、できなければ病院までの道中で時間がかかり、症状は悪化してしまうかもしれません。
また、留守中にケージやクレート内で大人しくできれば、愛犬の誤飲や怪我、家具の破損などを防ぐことができます。
そして、災害による緊急避難時にもハウスは役立ちます。
ケージやクレートといった安心できる空間があれば、避難先で愛犬のストレスを軽減させることもできます。
ハウスをしつけることは、愛犬の安全面や健康管理に大いに役立つということです。
子犬時期にしつけるのが理想的
ハウスのしつけは子犬の時から始めることが理想的です。
子犬は産まれて日が浅いため、常に何かを学ぶ姿勢でいるからです。
例えば人間の赤ん坊を想像してください。
生まれたばかりの赤ん坊は、日々の成長過程で学習しながら徐々に物事を覚えていきます。
これは、子犬にも当てはまります。
成犬のしつけは時間がかかる
一方、成犬は子犬より時間を要します。
成長過程で既に色々な事を学習しているため、それらを補正する必要が出てくるからです。
例えば、今まで何の制限もなく自由に家の中を歩き回っていたとします。
しかし、ハウスとは犬の専用エリアに入ってもらうことであり、これまで自由だった場所に突然制限がかかることになります。
そうなると、愛犬にとっての生活環境は変わり、適応するための時間が必要になるわけです。
このため、成犬に対するハウスのしつけは幼犬期よりも時間がかかります。
クレートの選び方
ハウスに使うクレートを選ぶポイントは4つです。
- 伏せをしても体が曲がってしまうことのない奥行きがある
- 立ち上がった時に頭がぶつからない高さがある
- 体の向きを自由に変えられる広さ
- 横の扉がついているもの
ケージやサークルはある程度の面積を柵で囲うので、比較的自由に動けます。
一方で、クレートは狭いのでそうはいかず、あまりも小さいとストレスの原因やクレート嫌いに繋がるので注意が必要です。
そして、クレートによっては上の扉しか開かない物があります。
そもそも、ハウスをしつけるには愛犬が自分で出入りできなければ意味がないため、こうしたクレートは選ばないほうが良いです。
クレートを選ぶ際はゆとりのある大きさで、横扉のものを選ぶようにしてください。
クレートでしつける場合は置き場所も注意
クレートでハウスのしつけを行う場合、クレートは部屋の隅や壁際に置くようにします。
愛犬が落ち着けないところに置くと、クレートを嫌いになってしまう可能性があるからです。
例えば、玄関付近に置くと人の出入りが多いので落ち着きません。
直射日光やクーラーが直接当たるような場所も快適とは言えず、体調不良の原因にもなり得ます。
クレートを置く場所は、部屋の隅や静かで温度変化の少ないところが適切だということです。
しつけのタイミング
ハウスのしつけは、食事前に行うのが効果的です。
空腹時はご褒美の期待感が高まるため、トレーニング効果も得やすくなるからです。
人間も空腹時に食べた物は、いつもより美味しく感じます。
犬も同じで、空腹時にもらうご飯はいつもより美味しく感じます。
食事前にハウスをしつけることで、「美味しいものが貰える!」と認識させやすくなるため、成果も出やすくなるということです。
トレーニング時間は1回2~3分程度にする
ハウスのトレーニング時間は1回2~3分程度にし、これを1日4~5回に分けて行います。
一度に長い時間をかけると、犬の集中力が切れてしまうためです。
また、中々ご飯を貰えないことがストレスになってしまうこともあります。
そのため、1回2~3分で何度もしつけることが適切です。
ハウスのしつけ方
それでは具体的なハウスのしつけ方をご紹介します。
ハウスのしつけ方
- 扉を開けた状態のクレート、ケージなどの中におやつや大好きな食べ物を入れる
- 自分から中に入るのを見守って少しでも入ったらハウスと言って追加で少しご褒美を上げる
- 全体が入ったら2より多くご褒美を上げてたくさん褒める
- 慣れてきたら少しの時間だけ扉を閉めて、すぐに開けてあげる
- 徐々に扉を閉めている時間を延ばしていく
上記手順を繰り返せば、ハウスと合図するだけで自らクレートやケージなどに入るようになります。
前述の通り、「専用エリアに入ればご褒美が貰える」「褒めてもらえる」と学習するためです。
このように、専用エリアに入るといいことが起こる、と思わせることがポイントになります。
次の動画も参考にしてみてください。
しつけのコツと注意点
以下に、しつけのコツと注意点をまとめます。
ハウスのコツと注意点
- ハウスを覚えさせるには、長ければ数か月かかることもあるので根気よく続ける
- 無理矢理押し込んだりするとストレスになるため、自主的に入るのを見守る
- おやつのあげ過ぎが気になる人は、毎食のご飯に置き換えてもOK
- 吠えても外に出さない。※吠えれば出れると思わせないため
- 愛犬が嫌がるなら無理はさせない
トイプードルのハウスのしつけ方:まとめ
記事のポイントをまとめます。
- ハウスを覚えさせるのは愛犬の為になる
- 子犬からしつけるのが最適だが成犬でも可能
- ハウスとは閉じ込める場所ではなく安心できる場所
- しつけは食事前が最適である
- 犬の集中力が切れないよう、1回のトレーニング時間は2~3分程度にする
- 時間をかけつつ、根気よく続ける
- 愛犬に無理はさせない
上記を踏まえ、愛犬に適切なハウストレーニングを行うようにしてください。